日本の秋の色彩は、息を飲むほど美しい。秋は、夜はちょっぴり肌寒いけれど、日本の一年の中でも、とても過ごしやすい季節だ。そんな秋に日本を訪れたら、ぜひ紅葉を見に行こう。東京・新宿から電車に揺られること約2時間。大都会・東京からそう遠くないところに、紅葉の名所・日光がある。神社や滝、湖に温泉…。紅葉に彩られたさまざまな名所が、穏やかにわたしたちを迎えてくれる。さぁ、日本の歴史と大自然にふれる旅、日光へ。
*日光を見もせずに結構と言ってはいけない、という、日光東照宮の建築のすばらしさを表した日本のことわざ。
中禅寺湖・男体山
日光駅から車で約45分。「奥日光」と呼ばれる地帯にある、澄んだ水の湖。自然豊かな湖畔をのんびり散歩したり、湖上を遊覧船で巡ったり。見上げれば、なだらかな曲線美の男体山。中禅寺湖は、約2万年前の男体山の噴火によって形成されたそう。遠い昔から変わらずにある大自然が、わたしたちを包んでくれる。
華厳の滝
日光には48もの滝が点在している。中でも最も有名なのが、華厳の滝。中禅寺湖の水が、高さ97mから落下する。エレベーターに乗って見学スポットまで降りると…。水しぶきが飛んでくるほどの距離に滝が!ドドドド、という音もすごい。自然の迫力に思わず圧倒される。
東照宮
500以上の彫刻が施された、きらびやかな陽明門。「日暮らし門」という、一日中見ていても飽きない、という意味の別名もある。
(上)東照宮の彫刻の中でも有名な「三猿」は、猿たちがユニークな格好で「悪いことは見ず、言わず、聞かないほうがよい」という人生の教訓を表現している。
(下)国宝に指定されている「眠り猫」。裏に雀の彫刻があり、「猫が居眠りしているので、雀が食べられずにすむ平和な時代」という意味が込められている。
十二支の彫刻が施された、高さ36mの五重塔。塔の中心部には柱が据えられており、そのおかげで地震が多い日本でも、塔が倒れない。この伝統技術は、東京スカイツリーにも応用されている。
道の途中・・・
東照宮や二荒山神社に向かうとき、わたしたちを出迎えてくれるのが、朱塗りが美しい神橋だ。神秘的な雰囲気が漂っていて、自然と気持ちが引き締まる。
いろは坂は、車で日光駅から中禅寺湖に向かう途中にある。上りと下り合わせてなんと48もの急カーブ。曲がっても曲がっても、まだ終わらないカーブ…。車酔いは心配だけれど、紅葉の絶景スポットのひとつだから、行く価値は十分。カーブごとにある標識に、ひらがなが一文字ずつ書いてあるのも要check。
鬼怒川温泉
日光の観光でたくさん歩いて疲れた足は、温泉宿で癒すのがいちばん。日光には温泉地が何カ所かあるけれど、日光駅から電車で行ける鬼怒川温泉が、アクセスもよく便利。電車を降りると駅前には、そば屋さんやお土産屋さんが建ち並び、わくわくしてしまう。4月中旬〜11月下旬のあいだは、舟に乗って鬼怒川を下る「ライン下り」もできるし、山の方に行くとロープウェイにも乗れる。まだまだ行きたいところがたくさんあるから、温泉でしっかり疲れを癒しておこう。
グルメ・お土産
美しい水が豊富な日光ならではのグルメや、日本らしさあふれる伝統工芸品など、旅の思い出にぜひ♪
日光そば
日光には、周辺の山々から流れるおいしい水で作ったそばのお店があちこちにある。日本では、おいしいそばは冷たい「ざるそば」で食べるのが通。だしのきいたつゆにつけて、ズルズルッと吸い込もう。
湯葉
湯葉は、豆乳を温めたときに表面にできる膜を一枚ずつ引き上げて作る。味がない!とびっくりするかもしれないが、これこそが日本の味。甘くてやさしい味がする。いろいろな刺身や煮物などの料理で楽しめ、おみやげ用の商品もたくさんある。
日光彫り
その昔、東照宮の造営の際に集められた彫物大工が、仕事の合間に彫ったのが始まりといわれている。「ひっかき」と呼ばれる独特の彫刻刀を使い、皿やたんすに模様を彫る。手鏡は、女の子へのおみやげにぴったり。
にゃんまげグッズ
Edo Wonderlandのマスコットキャラクター・にゃんまげのグッズ。お菓子、ぬいぐるみ、文房具…たくさんありすぎて迷ってしまいそう。
日光下駄
下駄と草履が合わさった、独特な形。下駄部分は安定して歩きやすく、草履部分は夏涼しく、冬温かい。数少ない職人さんがひとつひとつ作るため、一足10.000〜20.000円と決して安くはないが、価値ある伝統工芸品。
SENDA MAYU/ kilala.vn