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日本の聖地を巡る旅

Travel    • 2017年12月30日

Text: Senda Mayu/ Cooperation: HIS Song Han VN Tourist

新しい年の始まり。日本では正月を迎え、今年一年の幸福を神様に願う。日本では昔から、さまざまな形で「神」が信じられてきた。神社であったり、神話であったり、自然そのものであったり…。それは今もなお、各地で大切に保存されており、神聖な場所として扱われている。そんな場所に立つと、背筋が伸びて、いつもと違う空気を吸っているような気持ちになるから不思議だ。そして、そこには力強いパワーが宿っており、願いを叶えてくれる、幸せを運んでくれるとされている。なりたい自分になるために。素敵な一歩を踏み出すために。聖なるパワーに背中を押してもらいに、日本の聖地へ出かけてみませんか。今年もよい年になりますように。

富士山の日の出

富士山の日の出 (Photo: genki/PIXTA)

神聖な場所へ行くときに気をつけたいこと

・ 祀られている神様に敬意を払い、静かに行動しましょう。

・ 鳥居は神聖な場所への入り口です。一礼してからくぐりましょう。道の右側を歩いている人は右足から、左側を歩いている人は左足からくぐります。

・ 参道の真ん中は神様の通り道です。端を歩くようにしましょう。

・ 神社には身を清めるための水場があります。柄杓で「左手→右手→左手に水を注ぎ口をゆすぐ→左手→柄杓の持ち手」の順に清めましょう。

・ お参りの仕方は、「鈴を鳴らす→お辞儀2回→拍手2回→合掌し、目を閉じて祈る→一礼」

・ 写真撮影が禁止の場所もあるので、撮影する前に確認しましょう。

富士山

日本の象徴、富士山。2013年に世界遺産に登録され、ますます世界の注目を集めることになった。日本に行ったら、必ず行きたいスポットのひとつだろう。高さ3.376m、日本で一番高い山である。よく晴れた日であれば、100km離れた東京からも見える。古来より、神話や和歌、絵画においても題材となり、山岳信仰の最たる対象としても君臨してきた。均整のとれた美しいフォルムが、余計に人々を魅了する。

富士山

(Photo: あっしゅ/PIXTA)

富士山にある富士山本宮浅間神社は、全国各地に1300以上ある浅間神社の総本山。富士山の噴火を恐れた人々によって、山の神を鎮めるために、紀元前27年に建てられたという。その後噴火がおさまると、富士山への恐怖の念は崇拝の念へと変わり、全国へと広がっていった。多くの人が登山をし、参拝したという。

今でも富士山には、多くの登山客が訪れる。最近では外国人登山者も増えているという。(登山道具はレンタルすることができ、とても便利になっている。)登山が可能なのは7月から9月上旬にかけての夏場のみ。山頂まで行くのは簡単ではない。山の上の方は夏場でも凍えるほどに寒いし、空気も薄い。十分な体力と、しっかりとした装備が必要になる。しかし、日本一高い山の頂から見る風景、とくに日の出の美しさは息を呑む。神々しい景色を目の当たりにしたとき、人生の価値観が変わるかもしれない。遠くから見るだけでなく、「登る」という挑戦も、旅の選択肢にぜひ加えてみてほしい。

登山の疲れが吹き飛ぶ美しさ!

縁起がよい富士山

逆さ富士

まるで鏡のように、湖面に山が写り込んでいる。河口湖(山梨県)、田貫湖(静岡県)など、富士山周辺の湖で見ることができる。

逆さ富士

(Photo: photop/PIXTA)

赤富士

早朝に富士山が朝日に照らされて赤く染まった状態。陣痛中の妊婦さんが描いた赤富士の絵をもらった人は、子宝に恵まれるというジンクスがある。

赤富士
(Photo: tosibou/PIXTA)

ダイヤモンド富士

富士山と太陽がちょうど重なり、太陽がダイヤモンドのように輝きを放つ。ちなみに、満月と富士山の組み合わせは、「パール富士」と呼ばれている。

ダイヤモンド富士
(Photo: yoshiki/PIXTA)

出雲大社

年に一度、日本中の神様が集う場所


出雲大社-神楽殿

出雲大社-神楽殿 (Photo: Shimane Prefecture Tourism Promotion Division
日本では、旧暦の10月のことを「神無月」と呼ぶ。神が無い月、という意味である。なぜこのように呼ぶのかというと、日本中800万もの神様が、島根県の出雲大社で年に一度の大会議を行うため、どこもかしこも神様がいなくなってしまうといわれているからだ。反対に、神々が集結する出雲地方では、神がいる月という意味の「神在月」と呼んでいる。出雲大社でお祀りするのは、日本を創造した神として、日本最古の歴史書「古事記」をはじめ、数々の神話に登場する大国主大神。縁結びの神様として名高く、旧暦10月の大会議の議題も、縁結びについてなのだそう。その間の出雲大社は、神様のお迎え、7日間の滞在、お見送りと、「神在祭」で大忙しになる。

2013年には60年ぶりの大遷宮が行われ、本殿が遷座されたばかり。遷宮の目的は、建築物の維持や建築技術の継承のほか、神様の力をリフレッシュさせるためとも言われている。日本中の神様が集う場所に立てば、力強いパワーが後押ししてくれそう。

有名な神話「因幡の白うさぎ」

大国主大神とその大勢の兄弟は、因幡の国の美しい姫に会いに行くことに。その途中で一匹のうさぎが、「海を渡りたくてワニザメをだましたところ、ばれて毛皮をはがされてしまった」と泣いていました。いじわるな兄弟は嘘の治療法を教えましたが、大国主大神が正しい方法を教えるとうさぎの身体は元通りに。その後、姫は心やさしい大国主大神を夫に迎えました。うさぎは姫の使いの者だったとのことです。

出雲大社にある4つの鳥居のうちのひとつ

出雲大社にある4つの鳥居のうちのひとつ。4つ全てをくぐると「四逢わせ(Shiawase)」になるとの言い伝えも (Photo: Shimane Prefecture Tourism Promotion Division

出雲大社からほど近い稲佐の浜

出雲大社からほど近い、神話にも登場する稲佐の浜。神在月に神様たちをお迎えする場所でもある(Photo: Shimane Prefecture Tourism Promotion Division

出雲グルメ

出雲グルメ

(Photo: Shimane Prefecture Tourism Promotion Division

(右)出雲ぜんざい:小豆を煮た「ぜんざい」は、出雲が発祥。お餅を入れてどうぞ。

(左)出雲そば:そば殻まで使用しているので、色が濃く香り高いそばに仕上がる。

熊野

京都の南にある紀伊半島には、「熊野三山」と呼ばれる、3つの神社がある。熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社だ。それぞれの大社へ続く道は「熊野古道」と呼ばれ、「中辺路」「大辺路」「小辺路」の3つの道は、世界遺産にも登録されている。道が世界遺産に登録されるというのは極めて珍しいが、日本の宗教の発展に貢献してきたこと、数百年前に作られ、現在に至るまで保存されてきたことが、登録の理由となった。

熊野の地域は古来聖域とされ、1090年に白河上皇が訪れたのをきっかけに、京都の貴族たちが「熊野詣」を行うようになったという。室町時代になると武士や庶民の間にも広まり、熊野に訪れる人が後を絶たず、まるでアリの行列のように見えたとの記述もある。

最も多くの人が訪れる中辺路の途中には、那智の滝という名所がある。落差133mの迫力はすさまじい。熊野那智大社の別宮である飛瀧神社は、この滝を神様として祀っている。そのため本殿などの建物はなく、滝そのものを拝むのである。

那智の滝

(Photo: mt223/PIXTA)

長い歴史の中で、多くの人の足を向かわせた熊野三山。遠い昔に誰かが歩いた道を、何百年もの時を経て、現代を生きるわたしたちがまた踏みしめる。景色も、人々が神様を大切にする気持ちも、変わらずにあり続けるというのは、単純なようで、奇跡にも近いことなのかもしれない。

熊野MAP

熊野MAP

中辺路…熊野古道のゴールデンルート。熊野三山すべてを巡ることができる。

大辺路…海沿いを歩き、海岸美を楽しむ道。芸術家が多く訪れた。

小辺路…日本仏教の聖地である高野山と熊野本宮大社を結ぶ、険しい山道。

中辺路の見どころ

熊野神社

熊野古道沿いの神社では、現存最古とされる。

熊野神社

(Photo: Kumano Hongu Tourist Association)

百間ぐら

山々の絶景が広がり、小さなお地蔵様が安置されている。

百間ぐら

(Photo: Kumano Hongu Tourist Association)

熊野古道

美しい石畳の道を歩いてゆく。

熊野古道

(Photo: Kumano Hongu Tourist Association)

見晴台

那智山から見下ろす、熊野の神秘的な風景。 

見晴台

(Photo: Kumano Hongu Tourist Association)

高千穂-神様が降臨した、始まりの地

九州最大のパワースポットと呼ばれるのが、宮崎県の高千穂。かつて、乱れてきた地上の世界を治めるべく、瓊瓊杵尊という神様が降臨したのが、高千穂の地であるという神話が語り継がれている。そのため、「神話のふるさと」と呼ばれ、神話に関係する場所が多い。

高千穂

見どころのひとつである高千穂峡は、はるか昔、隣の県・熊本にある阿蘇山の噴火で、噴出した火砕流が冷えてかたまり、さらに川に侵食されてでき上がった。高いところでは100mもの高さになる断崖が、7kmに渡って続いている。ボートに乗って美しい川面を進むと、17mの高さから流れ落ちる真名井の滝に出会う。この真名井の滝が、高千穂峡のシンボル的存在。この地に水がなかったため、神様が創った水源から湧き出た滝とも言われている。下から見上げると、まさに天から水が落ちてきているかのようだ。

ほかにも、神々が集まって会議を開いたとされる天安河原や、神様がそこに立ち、国を眺めたとされる国見ヶ丘など、神々しく感じられるところばかり。深呼吸すれば、神秘的なパワーが体内に入ってくる心地がする。

天安河原

神様が会議を開いたという洞窟。願いを込めて石を積むと叶うといわれている。無数の小さな石が積まれ、不思議な光景が広がる。

天安河原

(Photo: Takachiho Tourist Association

高千穂神社

約1.900年前に創建されたといわれる。境内にある幹がくっついた2本の杉は、夫婦という意味の夫婦杉と呼ばれ、夫婦や恋人で手をつないで3回まわると縁結びや家内安全のご利益があるそう。

高千穂神社

(Photo: Takachiho Tourist Association

国見ヶ丘

秋から冬にかけての早朝、運が良ければ雲海が見られる。一面に広がる雲と朝日が織り成す絶景は、本当に神様が現れそうな幻想的な雰囲気。

雲海

(Photo: Takachiho Tourist Association

まだまだあります

日本各地の神聖な場所

阿寒湖/Hokkaido

北海道東部に位置する湖。日本では特別天然記念物のマリモが生息していることでも知られる。龍神様が祀られている、湖内に浮かぶヤイタイ島と、湖の中で最も深い水深44mの場所である「阿寒湖のへそ」は、神聖なパワーがみなぎっているといわれる。

阿寒湖

(Photo: JNTO)

恐山/Aomori

下北半島の中央にそびえ立ち、1.100年以上前に霊場として開山した。「あの世の入り口」の異名を持ち、硫黄の匂いとゴツゴツとした岩肌が地獄を彷彿とさせる。死者の声を聞くことができるという「イタコ」の言葉を聞くために、大勢の人が訪れる。

恐山

琵琶湖/Shiga

日本最大の面積を誇る湖。海と見紛うような広々とした湖面に、ゆったりと浮かぶ竹生島は、古くから「神の島」として崇められてきた。外周2kmほどの小さな島だが、宝厳寺や竹生島神社があり、参拝者でにぎわう。

琵琶湖

(Photo: C7/PIXTA)

石槌山/Ehime

天狗岳、弥山、南尖峰の山々を総称して石槌山と呼ぶ。山を神として崇拝する、山岳信仰の山として知られる。弥山の山頂には、石槌山神社の頂上社がある。天狗岳は標高1.982mと西日本最高峰で、山頂からの眺めは絶景。

石槌山

(Photo: JNTO)

屋久島/Kagoshima

樹齢2.000年以上といわれる屋久杉がそびえ立つ。太古の時代がそのまま取り残されたような、豊かな自然の島。1993年に世界遺産に登録されている。

→屋久島はこちらでも紹介しています。

屋久島

(Photo: Kagoshima Prefectural Tourist Federation/JNTO)

SENDA MAYU/ kilala.vn

Official Travel Guide Yamanashi

yamanashi-kankou.jp/english/index.html

Shizuoka Prefecture
pref.shizuoka.jp/a_foreign/english/index.html

Izumo Sightseeing Guide
izumo-kankou.gr.jp/pdf/english.pdf

Kumano Hongu Tourist Association official website
hongu.jp/en/

Takachiho Tourist Association
takachiho-kanko.info/en/

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