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和紙の作り方

Culture    • 2018年05月14日

Text: Senda Mayu/ Photo: Toyoshima Masanao

和紙作りは一日で、というわけにはいかない。一枚の薄い紙からは想像しえないような、いくつもの工程を経て作られている。今回は埼玉県・細川紙の作り方を見てみよう。

1. 楮の収穫

収穫時期は11月下旬〜1月。幹の部分だけを使うので、枝はきれいに取り除く。

楮の収穫

2. 蒸す

楮を釜に入れ、2時間程度蒸し、木の皮をやわらかくする。

蒸す

3. 皮をむく

蒸した楮がさめないうちに、一本一本ていねいに皮をむく。和紙は外皮の裏についている、靭皮の部分を使う。むいた皮は乾燥させ、保管しておく。

皮をむく

4. 皮晒し

乾燥しておいた皮を再び煮込んでやわらかくし、表面の皮や不純物を取り除くために川の水に晒す。

皮晒し

5. 皮を削ぐ

楮引(Kazuhiki)包丁で(※埼玉の方では、楮のことを「かず」とも呼ぶ)表面の黒皮を削ぎ、白皮にする。黄色っぽい皮を残すと温かみのある色の紙ができ、真っ白になるまで削ぐと純白の紙ができる。

皮を削ぐ

6. 煮る/ちり取り

白皮を石灰や木灰などといっしょに煮込み、不純物を煮溶かす。煮た皮は水に晒し、まだ残っている小さなチリやゴミなどを丁寧に取り除く。美しい和紙に仕上げるための、大切な作業。

ちり取り

7. 叩く/ほぐす

皮を叩いて繊維を細かくほぐす。現在は機械でやるところも多いが、昔は木槌などを使い手作業で行っていた。

叩く

8. 材料を混ぜる

ほぐした楮と、水、トロロアオイという植物の根からとれる、粘りのある液を混ぜる。「ねり」と呼ばれる、繊維同士をつなぐ役割をしてくれる。

材料を混ぜる

9. 漉く

漉き舟の中で簀桁を揺らし、紙を漉く。漉いた紙は、湿った紙という意味の「湿紙」と呼び、一枚ずつ重ねてゆく。重ねた紙の束は、紙の床という意味の「紙床」、または「かんだ」と呼ばれる。

漉く

10. 脱水・乾燥

紙床に重しを乗せたり、機械などを使い、脱水をする。水分が抜けてカチカチになった湿紙を一枚ずつはがし、乾燥用の鉄板にはりつけていく。天日で干すところもあるが、かなり時間がかかるため、現代では鉄板を使用するところが多い。

脱水・乾燥

11. 検品

穴や破れ、ゴミがないかどうか、正しい厚みかどうかをチェックする。光に透かしながらの作業になるので、必ず昼間に行う。
検品
産地によって、工程や道具の呼び名が違います。漉くときの縦に揺らす回数、横に揺らす回数によって、紙の質が変わってくるんですよ。
SENDA MAYU/ kilala.vn

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