16年間、小児がんを支援する日本人女性
Nhân vật
ベトナム中部のフエで小児がんと闘う何千人にもおよぶ子供たちから「お母さん」を親しまれている日本人女性がいる。
NPO法人アジア・チャイルドケア・リーグ(ACCL)の代表で団体の設立者でもある渡辺和代さんは、2005年からベトナム中部の拠点病院である国立フエ中央病院の小児センターと連携し、医療と社会福祉の両方から小児がんの支援活動を続けている。
この活動を始めたきっかけは16年前、国立フエ中央病院の小児がん治療病棟への訪問だった。渡辺さんが目にしたのは、設備の整っていない小児がんの治療現場と輸血や抗生物質投与、簡単な化学療法などの治療でした。当時は医師も患者も小児がんは不治の病だと思っていたので、がんと診断された時点で約6割の家族が治療を断念していたという。
この現状を知った渡辺さんはアジアで小児がんの子どもたちを支える活動をしようと考えるようになりこの支援団体を設立した。
その後、渡辺さんは2人の日本人医師とともにベトナムに戻り、患者の診断や検査、相談に乗り治療計画を立てた。医療スタッフのためには、国内外のトレーニングコースを開催し、海外から専門家や小児がん専門医も招待した。
さらに遠隔地の村を訪れ、がん治療を拒否している患者に会い、がんは治療できることを知ってもらい彼らに治療することを説得する活動もしている。また、病院から遠く離れた場所に住む患者家族を受け入れる施設「希望の家」も建て治療を受けやすい環境を整えている。
2018年、アジア・チャイルドケア・リーグ(ACCL)は、国立フエ中央病院に小児がんセンターを設立した。それ以来、同病院では中部地方の患者を治療するだけでなく、ハノイやホーチミン市からも患者を受け入れている。
このような渡辺さんの積極的な活動と協力のおかげで、がん治療を途中で断念する率は60%から4~5%に減少した。国立フエ中央病院小児科センターのチャウ・ヴァン・ハー副院長によると、渡辺さんが支援に来る前はがんの子どもをほとんど救えませんでした。今では生存率は70%に達し、600人近くの子どもたちがこの活動によって助けられていますと述べた。
渡辺さんはベトナムのがんの子どもたちと16年間向き合ってきて、さまざまな浮き沈みがあったという。最も辛いことは子どもたちの死に直面した時でした。しかし亡くなった子どもたちから教えられたことと笑顔がこの活動を続ける意欲と熱意となっている。いつの日か、ここが先進国レベルの近代的な小児がん治療センターになることを願っていますと語った。
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。