単独インタビュー・「カム・アンド・ゴー」に大人気ベトナム人俳優が出演
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11月19日公開のリム・カーワイ監督作『COME & GO/カム・アンド・ゴー』は、中国、香港、台湾、韓国、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ネパール、日本の9カ国・地域の人々が、日本での生活をリアルに描いた作品です。
その中で印刷工場のベトナム人技能実習生を演じたリエン・ビン・ファットさんにインタビューを行い、貴重なお話を伺いました。
リエン・ビン・ファットさんのプロフィール
1990年生まれ。2018年にオーディションを経て「Song Lang/邦題:ソン・ランの響き」にて映画初出演を果たし、第31回東京国際映画祭ジェムストーン賞(新人俳優賞)、ベトナム映画協会最優秀男優賞を受賞。
2019年から現在かけてバラエティ番組「Running Man Vietnam」に出演し人気を博す。
2019年アジア・スター・アップネクスト・アワード(The Asian Stars Up Next Awards)では「New Asian Star」に選出。
あらすじ
大阪の中心である梅田北区、通称「キタ」と呼ばれる地域が舞台。桜が満開を迎えようとする季節に古い木造のアパートで、白骨化した老婦人の死体が発見された。警察は実況見分で、アパートの周りの捜査や関係者へ事情聴取を行っていた。孤独死なのか、または財産絡みの謀殺なのか、いろいろなうわさが飛び交う中、中国、台湾、韓国の観光客、マレーシアのビジネスマン、ネパール難民、ミャンマー人留学生、ベトナム人技能実習生などの外国人たちと、彼らと日常を共有している日本人たちの3日間の出来事が繰り広げられる。事件の調査が終ろうとするとき、この間に起きた彼らの様々な人生の岐路も新たな展開を迎えようとしていた。映画「カム・アンド・ゴー」に出演した理由を教えてください。
このお話をいただいた時、まず、これは国際的な映画市場に参加する良い機会だと思いました。それにキャラクターも私の実際の経験に非常に近く、すぐに出演をお受けしました。作中でベトナム語または日本語のセリフはありますか。セリフを覚えたり、役を演じるうえで難しかったことはありますか。
私の役は日本に到着したばかりの技能実習生で、主にベトナム語を話し、日本語はほとんど話せません。日本語のセリフが少ないのであまり苦労しませんでした。しかしセリフを理解するために集中し、共演者のセリフを聞いて役柄の心理を表現する必要がありました。
ベトナムで多くの映画に出演したファットさんからみて、日本とベトナムの映画製作の違いは何だと思いますか。
私は日本の撮影クルーと一緒に数日間しか撮影に参加しなかったので、その違いを語るのは難しいと思います。しかし、この作品に参加できたことは素晴らしい経験だったということは確かです。彼らは時間に正確で、誰もがプロ意識をもって様々な仕事をこなし、常に周囲に気を配って行動しています。
作中の技能実習生としてのあなたの役割は何ですか。また、この役を通して何を伝えたいですか。
映画の内容から、日本は仕事をして生活をするために来日する外国人にとって良い国であることが分かります。しかし、私が演じた技能実習生は日本の文化への理解不足や言葉の壁にぶち当たり悲惨な状況に陥ってしまいました。
このことから、他の国、特に日本のように近代化された国に訪れるとき、または文化的な理解を得ようとするときには、ベトナムのアイデンティティを誇りとして行動をするべきだと思います。
ベトナムとは違う日本の環境に適応するのは難しかったですか。
以前日本に行ったことがあるので生活に溶け込み、慣れることはとても簡単でした。 撮影現場はクルーも含めベトナムの環境とあまり違いはなかったので、それほど驚きませんでした。共演者や監督、クルーそれぞれが違う言語を話す現場でどのように交流をしましたか。
メイクアップ、スタイリスト、サウンド、サブディレクターなど、さまざまなポジションのクルーは英語が話すことができず、また、私も日本語が話せなかったのでコミュニケーションをとるのは少し難しかったです。しかし、ディレクターは英語や他の言語を話すことができたので、仕事上で難しいことはありませんでした。
共演者はそれぞれの台本に従って役を演じました。
日本での撮影中、気に入った場所や料理はありますか。
しゃぶしゃぶが結構好きで、ラーメンも食べました。冷たいそばも食べてみましたがあまり美味しく感じませんでした。あと、小さな路地の飲食店で見つけた薄切肉を使った牛丼はとても美味しかったです。