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杉良太郎氏と、文化交流活動

Entertainment    • 2018年01月23日

Text: Senda Mayu

杉良太郎氏: “一人ひとりの「考える」きっかけに”

杉良太郎氏

杉良太郎氏

日本の歌手・俳優

ベトナム日本/日本ベトナム特別大使

2016年11月19、20日に渡って、ホーチミンの23/9公園で行われたJAPAN VIETNAM FESTIVAL 2016。ベトナム日本/日本ベトナム特別大使を務める歌手・俳優の杉良太郎氏も訪れ、自身も制作に携わる越日交流番組のPRや、越日の歌手を招いたミュージックショーのプロデュースも手がけるなど、大使としてまた新たな功績を残した。長年に渡りベトナムへの支援を続ける杉良太郎氏に、ベトナムへの思いを聞いた。


—————ホーチミンには久々にいらっしゃったのではないかと思います。街の印象はいかがですか。

昔と比べてバイクと車がとても増えましたね。交通事情も変わり、観光客も増えました。騒がしさもあり、混乱しているような印象です。道路にも乗り物があふれ、交通渋滞が起きているので、地下鉄が早くできれば良いと思います。


—————日本では2016年11月に、文化功労者(※)に選ばれました。それをうけての今回のフェスティバルですが、どのような思いで臨まれていますでしょうか。

※文部科学省が毎年決定する、文化の向上発達についての功績が認められた人物

このイベントは、一年がかりで計画しているものですから、文化功労者に選ばれたことはあまり関係はありません。海外で行うイベントというのは、想像以上に労力がかかります。言葉の壁や、それぞれの国の物事を進めるスピード感の違いなどもありますから、多くの人の協力なくしては、成功しえないものです。そして、思った以上に費用もかかります。ミュージックショーの出演アーティストの皆さんはボランティアでご出演いただいておりますが、イベント実施のためにはたくさんの人たちのお力・技術が必要なので、運営スタッフや機材操作など、もちろんプロの方々にも依頼します。全てにおいてボランティアで行う事はとても難しく、制作費や渡航費などどうしても費用が発生してしまうものもあります。そういった支弁なしでは続けられないことなのです。


—————「続ける」ためには多くの力が必要だということなのですね。

文化交流とは、一方通行にお金がかかるものなのです。企業であれば、仕事をすれば利益が出ますから、だから事業を行いますね。しかし文化交流活動を長く続けるということは、精神的、肉体的、費用的にも、大変なことです。人、お金、気持ち、あらゆるものがそろわなければ不可能です。実行するには、「気持ち」だけではできないのです。


—————そのようなたくさんの犠牲を払いながら、今までベトナムとの交流を続けてらっしゃいました。どのような思いを根底にお持ちなのでしょうか。

ベトナムと携わって足かけ30年になります。ベトナムの国を思うのであれば、人を育てなくてはいけない、と思いました。ハノイの日本語センターでは、日本語や文化を教えています。ホーチミンのさくら日本語学校の建設費用も支援しました。これらによって人が育つということは、ベトナムにとって大きな意味があります。ベトナムに携わり始めた当時、日系企業は一社も進出していませんでした。日本はアメリカとの関係性から、政治も企業も動きがとても鈍かったのです。そのとき私はDo Muoi首相と、両国を文化でつなぐ約束をしました。「文化で風穴を開けましょう」と。たとえ政治や経済の状態が変わったとしても、そこに住む人々は変わらない。だからこそ文化の力は国に残り、根づいてゆきます。育てた人々同士がつながって、お互いを理解することができるようになるのです。


—————今回、プロデュースを手がけられたミュージックショーが行われています。見どころを教えていただけますでしょうか。

ベトナムの出演者も、日本の出演者も、ボランティアでの出演にもかかわらず、力いっぱい一生懸命やってくれています。言葉は通じないけれど、その一生懸命さはベトナムの皆さんに伝わると思います。


—————制作に携わられている日越交流番組「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」は、どんな番組でしょうか。

日本人には、繊細にモノを創る力、よりよいものを提供しようという精神があります。どうしたらよいものができるか、というのを常に考えています。たとえば日本で電車やバスが時刻通りにやってくるのも、日本の水道水がミネラルウォーターよりもきれいなのも、それらのシステムを創り出す力があるということ。この番組には、そんな日本人の姿がちりばめられています。JAPAN VIETNAM FESTIVALに出展したブースでも、そういった日本人のモノ造りの力を感じられるものを、試食で提供しました。農薬を使わずに栽培したいちごやトマトです。質がいいので、暑いベトナムに持ってきても傷みにくいんですよ。


—————最後に、ベトナムの方々に向けてメッセージをお願いします。

仕事において、国において、どうしたらもっとよくなるか、ベトナムの人一人ひとりが考える機会になれば良いです。どこかの国の真似では成長はないですから、ベトナム独自の発想で、新しいものを作り出していってほしいと思っています。

Japan Festival in Vietnam

VTV1の日越交流番組「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」もブースを出展。日本の農薬・肥料メーカーOATアグリオが栽培に協力する茨城県産いちごとトマト、ダラット産メロンの試食会を行いました。来場者は、甘くてハリのある日本品質の農作物を堪能しました!
「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」のブース
「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」のブース
「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」のブース


2015年7月からVTV1でスタートした日越交流番組「Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜」。2017年1月から始まる新シーズンでは、まだあまり知られていない魅力的な観光地や、日本の技術や精神など、より奥深い内容をお届けしていきます。2017年1〜3月の毎月第2・4日曜日、22:30よりVTV1にて放送。

Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜
Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜
Giao luu VIET NHAT 〜?! JAPAN × VIETNAM〜
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SENDA MAYU/ kilala.vn

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