日本では夏が終わり、秋が近づいてきている。真夏の蒸せ返るような熱気は穏やかになり、少しずつ、ひんやりと透き通るような空気になってくる。力強かった木々の濃緑は、日を追うごとに表情を変え、まもなく美しい紅葉の季節を迎える。豊かな自然に恵まれた日本では、全国各地で、赤や黄に染まる草木の情景を楽しむことができる。
紅葉を見に行くなら、東京の少し北側、北関東エリアはいかがだろうか。にぎやかでいつでも人が溢れる東京から、バスや電車に揺られて数時間。群馬、茨城、栃木…のどかでホッとできる、優しい街がそこにはある。その場所で昔からずっと食べられてきた郷土料理や、風情ある温泉、歴史を感じられる街並み…。日本人らしさを感じさせる、素朴で温かいモノや場所がたくさんある。
さわやかな風の中で、ゆるやかな日本を体感しよう。めくるめく紅葉の色彩や、咲き誇る秋の花が、あなたの思い出を鮮やかに彩ってくれる。
北関東ってどのあたり?
東京と中心とした、東日本の1都6県を「関東」と呼び、その中の北部に位置する群馬、茨城、栃木を「北関東」と呼ぶ。温泉があり、自然が豊かで、おいしい農作物もたくさんとれる。東京からのアクセスもよく、ハイキングや果物狩りなどのレジャースポットとして、日本人の国内旅行者も多い。
北関東の紅葉スポット
群馬県・伊香保温泉にほど近い「河鹿橋」。「千と千尋の神隠し」に登場する赤い橋のモデルになったとも言われている。橋ともみじの赤が、強烈に美しい (Photo: matka 10 / PIXTA)
茨城県・ひたち海浜公園では、10月になるとモコモコのコキアが赤く色づき、なんとも不思議な世界に様変わり。同じ時期、コスモスも満開に (Photo: ponta / PIXTA)
栃木県・日光の男体山と中禅寺湖。紅葉、湖面の輝き、青空、三重奏の美しさ (Photo: NISH / PIXTA)
群馬
温泉街 (Photo: Nguyen Đinh)
なかや旅館の天空露天風呂 (Photo: Nguyen Đinh)
四季の花々が美しい公園 (Photo: Nguyen Đinh)
高さ41.8メートル、重さ5,985トン、2000年に国の登録有形文化財に登録された高崎白衣大観音像 (Photo: Nguyen Đinh)
農村の食文化や伝統手工芸が体験できる、たくみの家が点在しているたくみの里 (Photo: Nguyen Đinh)
日本百名山のひとつ、谷川岳。その頂部は二峰に分かれており、それぞれトマの耳(標高1,963m)、オキの耳(標高1,977m)と呼ばれる。周辺の風景が壮大で美しい (Photo: Nguyen Đinh)
利根川水系楢俣川に建設された奈良俣ダム。長さ520m、高さ158m。秋になると、石の白い色と周りの紅葉の赤や黄色のコントラストがとても綺麗。写真の中は2015年の夏に訪ねたベトナム人観光客たち (Photo: Nguyen Đinh)
茨城
茨城県牛久市にあるブロンズ製大仏立像。全高120mあり、ブロンズ立像としては世界最大 (Photo: Masa / PIXTA)
梅の名所として知られる偕楽園。本園部分だけで100種3000本のウメ(梅)が植えられている。春は強烈に美しい (Photo: Nguyen Đinh)
栃木
徳川家康没後400年記念
2015年は将軍ロードが熱い!
(Photo: Shutterstock)
日本の歴史上、偉大な人物の一人、徳川家康。江戸時代を語る上では欠かせない存在だ。2015年は、家康の没後400年という記念すべき年。日本の各地では家康にまつわるイベントが開催されるが、家康のゆかりある地を巡る「将軍ロード」のツアーも見逃せない。かつて江戸と呼ばれた東京から、徳川家康が祀られている日光東照宮がある栃木県・日光市へ北上する旅。ありがたい家康のパワーにあやかろう!
東京
(Photo: Taito City)
浅草周辺には、家康によって幕府の祈願所と定められた浅草寺、スカイツリーがある。秋葉原近くの神田明神、アメ横がある上野にある寛永寺も徳川家とゆかりが深いので、買い物ついでに立ち寄ろう。
日光
ACCESS
東京から日光へは、東武鉄道の「特急スペーシア」が便利です。電車やバスに乗り放題のお得な切符もあるので、日光をたっぷり楽しむなら要チェック!
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SENDA MAYU/ kilala.vn