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小笠原諸島-絶世の青に囲まれた、神秘の島

Travel    • 2018年01月06日

Text: Senda Mayu/ Cooperation: ASEAN-Japan Centre

小笠原諸島
父島の中山峠から見る、美しいBonin Blue (Photo: nuku / PIXTA)

東京から南に約1000km。東京の竹芝桟橋(TakeshibaSanbashi)から船で25.5時間かかる場所に、小笠原諸島がある。30個ほどの小さな島が点在し、総面積は約104km2。島が誕生してからの長い歴史の中で、大陸と陸続きになったことがない。海流や風に運ばれてきたもの、鳥のように自ら飛んできたもの、さまざまな要因で島にたどり着いた生き物たちが、長い年月をかけて独自の生態系を作り、進化をしてきた。数多くの固有種を有する、「東洋のガラパゴス」とも呼ばれる神秘の島。その特異な自然環境が評価され、2011年、世界自然遺産に登録された。

父島の境浦から見る夕日

父島の境浦から見る夕日。戦時中に座礁した「濱江丸」という船が遺っていることでも有名 (Photo: Ogasawara Village Tourism Bureau)

小笠原諸島に広がる海の青を、「Bonin Blue」と呼ぶ。1830年まで無人島だった小笠原諸島は、かつて無人島(Buninjima)と呼ばれており、「Bonin Island」という別名を持っていたことに由来する。鳥肌がたつほどに鮮やかなBonin Blueの中には、美しい珊瑚礁が広がり、クジラやイルカ、色とりどりのたくさんの魚たちが暮らす。また、ウミガメの産卵地としても知られ、6〜7月には、砂浜で卵を産み落とす母ウミガメの姿も。

ザトウクジラ

ザトウクジラの観察は、2 – 4月がベストシーズン (Photo: Ogasawara Village Tourism Bureau)

陸地に生息するカタツムリなどの貝類は、小笠原諸島にいるだけで100種を超えているが、そのほとんどが固有種だ。殻の形や色が生活場所によって違うのが、生き物の進化の意味を物語っている。哺乳類で唯一の固有種は、オガサワラオオコウモリ(Pteropuspselaphon)。広げると90cmにもなる翼で島を飛び回り、種子や花粉を運ぶ役割を担っていることから、森林を育む「森の守り神」ともいわれている。

小笠原諸島の生き物

人間が行き来するようになり、元来、小笠原諸島に生息していなかった生き物が人間によって持ち込まれると、それらが島の生態系を乱し始めた。グリーンアノール(Anoliscarolinensis)というトカゲは島の昆虫を食べ、猫は野生化して鳥を襲い、生命力の強いアカギという樹は、固有種の樹を淘汰している。

コアホウドリ

絶滅危惧種に指定されているコアホウドリ (Laysan albatross) (Photo: Ogasawara Village Tourism Bureau)

こうして、絶滅に追いやられたり、絶滅の危機にある生き物が多くいることを、わたしたちは理解する必要がある。小笠原諸島の美しく豊かな自然を後世に残すため、日本が誇る遺産であり続けるために、島の生態系の保全活動が不可欠だということを忘れてはいけない。

SENDA MAYU/ kilala.vn

ASEAN-JAPAN CENTREは、ASEAN加盟国と日本によって1981年に設立された国際機関です。日本とASEAN諸国間の「貿易」「投資」「観光」「人物交流」の促進を主な目的にかかげ、ASEAN商品の展示・商談会や各種セミナー・ワークショップの開催、人材育成、文化紹介イベント、各種出版物の発行および情報提供など、多岐にわたる事業を実施しています。
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