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メンタルヘルスに取り組むべきベトナム

Tin 60s    • 2018年01月01日

ⓒ Vietnam Net

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ベトナムでは、潜在的なメンタルヘルス問題への対応が難しく新たな課題となっている。

国が公表しているデータによると、ベトナムには少なくとも300万人の精神障害を持つ青少年がいるが、そのうち診断を受けて適切な治療を受けているのはわずか20%だ。その大半は一時的な解決策として、アルコール、薬物、覚醒剤などに頼っている。

ベトナム政府は、1999年に「精神衛生に関する国家戦略」を策定し、2020年から保健予算の5%を使用し、2025年までに精神衛生サービスを拡大するという具体的な目標を掲げた。しかし、現状は患者の約30%しかカバーしておらず、ほとんどの患者は治療を受けていないか誤診で放置されている。

ベトナムのメンタルヘルス治療システムは、他のアジア諸国に比べて遅れている。2014年にWHO(世界保健機関)が行った調査によると、ベトナムでは人口10万人あたり0.91人の精神科医しかいない。精神科病院システムは現在、全国に36の病院と6,000床のベッドを持つ省立病院があるが重篤な患者にしか対応していない。

しかも、ほとんどの低・中所得層の労働者は、心理療法などの民間のカウンセリングサービスの料金を支払う余裕がない。

過去10年間に経済的な成長はあるが、この分野においては重篤な患者のみにしか対応していない。また、メンタルヘルスに対する問題意識が社会的に広がっていないことも遅れをとる原因となっている。

WHOのVSL(Value of a Statistical Life/統計的生命価値)によると、精神障害の世界的な経済的負担は、2010年には8.5兆USD(約939兆7,000億円)と推定され、心血管疾患と同等で、がん、慢性呼吸器疾患、糖尿病よりも高いとされている。
しかし、メンタルヘルスケアは、他の身体的な健康問題に比べて認知度や資金提供が少ない。
政府は社会保護センターでの重度の精神疾患患者の医療費と食事代を負担しているだけで資金も限られている。

また、ベトナムでは精神疾患はいまだに恥ずべきものとされ、メンタルヘルス産業の発展や、個人が専門家の助けを求めることへの妨げとなっている。

精神疾患に関するスティグマ、偏見、差別は、これらの人々が他とは違う異常な存在であるという誤解から生じる。実際には、メンタルヘルスの問題はあらゆる立場の人に起こりうるものだと認識するべきである。

〈Vietnam Net〉
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
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