グローバルブランドの生産拠点としての今後
Tin 60s
2021年6月から9月までの新型コロナの影響でいくつかのファッションブランドは、生産と発注を徐々にベトナムから遠ざかり始めた。
とはいえ、依然として世界のファッション大手数社にとって巨大な生産拠点であることに変わりはない。
サプライチェーンとしての現状
2019年12月にベトナムで最初のショップをオープンして以来、多くのベトナム人消費者に親しまれているユニクロは、ベトナムを2番目の生産拠点として労働力の質の向上を高く評価している。
世界的に有名なブランドであるナイキやアディダスは、約200のサプライヤーを抱える。
アディダスにおいては世界市場に供給する製品の30パーセントをベトナムで生産している。
また、ナイキのサプライヤーViettien Garment Corporationはコロナ流行時でも注文を1度も失わない信頼を得ていた。
世界貿易機関が発表した「世界貿易統計レビュー2021」の最新の数字によると、ベトナムはバングラデシュを抜いて世界第2位の既製服輸出国となり、2020年には中国に次ぐ290億ドル(約3兆3240億円)の市場規模に達するという。
ベトナム製の衣料品は世界市場の4.6パーセントを占め、近年は労働力の質の向上により、高品質の衣料品を多く生産している。
衣料品部門と並んで、ベトナムの履物製品も世界でますます重要度を増している。
産業貿易省ベトナム産業貿易情報センターは、世界履物年鑑のデータを引用し、ベトナムは履物の輸出で世界第2位となり、2020年には12億3000万足に達することを明らかにした。
この結果、ベトナムは初めて世界の履物輸出総額の10.2パーセントに達し、2.3パーセントに過ぎなかった2011年に比べて4.4倍に増加し、3億1600万足の靴が輸出された。
さらにキャンバスシューズの輸出額で中国をも上回り、世界最大の輸出国となった。
ナイキ、アディダス、リーボック、プーマといった世界的に有名な靴のブランドは、ベトナムで大量に製品を生産している。
中国はハイテク技術に注力するため、履物製造への投資を減らし続けており、ベトナムの履物産業の展望はさらに広がる可能性が非常に高い。
サプライヤーとしての責任
合理的なレベルで人件費が安いという利点がある一方で、企業はますます厳しくなるパートナーの要求に応えるため技術への投資を増やすこと、そしてパートナーが安心して長期的な協力関係を築くために大きな努力を払っている。
新型コロナによる影響で生産できなかった時には再開後、企業は従業員に残業をさせ予定通りに製品を届けるために船便よりも数倍高いコストで航空便を手配するところもあった。
しかし、年末商戦の主要市場への納品を確保するため、多くの季節受注がベトナム国外に移された。同様に履物業界も季節的な注文が少なからずベトナムから移動している。
長期的には、ベトナムが環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)やEU-ベトナム自由貿易協定(EVFTA)などの主要な自由貿易協定(FTA)に参加することが、世界的に有名なブランドがベトナムを重要な生産拠点として優先する理由になると見込まれる。
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