再生可能エネルギーへの投資が高まる
Tin 60s
国際機関の評価によると、ベトナムはASEAN諸国の中で再生可能エネルギーへの投資率が最も高い国となっている。
近年、特に東南アジアの主要な太陽光発電市場として注目される。
フランスの国営電力会社EDF(Electricite de France)グループのEDFリニューアブル(EDF Renewables)は、世界第3位の太陽光発電市場であるベトナムのビナキャピタル(Vina Capital)グループの子会社で、屋上太陽光発電事業者スカイXソーラー(SkyX Solar)の持ち株会社であるスカイXエナジー(SkyX Energy)に出資した。
投資額は明らかにされていないが、戦略的パートナーであるEDFリニューアブルの支援を受け、スカイXソーラーは今後2~3年の間に少なくとも1億米ドル(約114億円)を投入し、屋上太陽光発電パネルをさらに開発し拡大する予定。
スカイXソーラーの創業者でありCEOのサムレッシュ・クマール氏(Samresh Kumar)によると、同社は現在、約100メガワットピーク(MWP)の屋上太陽光発電プロジェクトを運営・開発している。ベトナムのより多くの産業界の企業と提携し、何百メガワットピークもの太陽光発電設備を建設する予定だという。
東南アジア・リージョナル・ディレクターであるヤリム・オジルハン氏(Yalim Ozilhan)は、ベトナムにおける再生可能エネルギー分野の発展の可能性について言及し、「EDF社は、世界レベルでの屋上太陽光発電の開発に強みを持っており、ベトナム市場での事業拡大に関心を持っています」と述べた。
また、EDFリニューアブルに限らず、ベトナムの再生可能エネルギー市場は、低炭素電源の需要が高まっていることから、他のエネルギー企業からの海外投資も活発に行われている。
例えば、バクリュウ液化天然ガス発電所プロジェクトの登録資本金は40億米ドル(約4,560億円)となった。
ベトナム計画投資省のデータによると、ベトナムは電力生産・配給分野で51億米ドル(約5,810億円)のFDIを誘致し、その年の投資資本全体の18%を占めた。
2021年の最初の3カ月間で、この分野は登録資本金3,356万米ドル(約40億円)の160のプロジェクトを誘致し、加工業、不動産業に次いで第3位となった。
太陽エネルギーに加えて、風力エネルギーも海外の投資家から注目されている。
2020年、インフラ投資会社コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズグループ(Copenhagen Infrastructure Partners Group)は、ビントゥアン省人民委員会との間で、総発電量3.5ギガワットのラガン洋上風力発電プロジェクトの開発に関する覚書を締結した。総投資額100億米ドル(約1兆1,400億円)を見込んでおり、ベトナムにおける最初の大規模洋上風力発電プロジェクトの一つと考えられている。
ASEANの中で高い経済成長を遂げ、気候変動の影響を受けているベトナムは、エネルギーの経済的、効率的、持続可能な利用と同時に、再生可能エネルギーの比率を高めるためのエネルギー再編の重要性を認識している。
そこで2045年に向けたビジョンとして、2021年から2030年までの国家電力開発計画を策定しており、その中でエネルギー再編における3つの主要な方向性を定め、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電、そして固形廃棄物からの電力の開発を促進し、石炭火力発電の生産量を削減する一方で、ガス火力発電の開発を進めている。
経済的で効果的なエネルギー利用を改善するために、国は2019年から2030年までの国家エネルギー効率化プログラムを展開している。
※これらのニュースは各ソースを参考に記事を編集・制作しています。