黒字の日本企業数が増加
Tin 60s
ベトナムに進出している日本企業のうち、昨年の事業活動で利益を上げていると予測される企業の割合は54.3%で、2020年と比較して4.7ポイント上昇した。
この数値は、2021年のアジア・オセアニアにおける日本の投資に関するジェトロの調査の一部である。
この35回目の調査で、ベトナムで活動する702社の日本企業から回答を得た。
調査期間が昨年の8月25日から9月24日までで、ちょうどベトナムが新型コロナの流行により厳しい社会的距離の措置を実施した時期と重り、企業の対応成績に影響が出たという。
しかし、投資や操業している日本企業のうち、利益が向上したと答えた企業は31.4%に達し、2020年の前回調査より増加した。
一方、新型コロナの影響からの企業の回復は他国より遅れているため、特に南部・中部地域では、稼働率の低下により営業利益が「減少した」と回答した企業が4割を超えた。
製造業に関しては、利益を計上した企業の割合は57.5%、非製造業は51.5%である。
2022年に向けての企業の収益見通しについては、昨年に比べて「改善した」と回答した企業が56.2%に上った。
今後1〜2年の間にベトナムで事業を拡大する意向のある企業の割合は55.3%で、前年から8.5ポイント上昇し、ASEANで1位、調査対象20カ国ではインド、バングラデシュ、パキスタンに次いで4位となった。
ジェトロ・ハノイ事務所によると、ベトナムで事業を拡大したい企業の割合は、パンデミック前に比べて減少していると指摘する。しかし、これは新型コロナの影響による他の市場でも一般的な傾向であった。
また、同国は、ASEAN地域よりも企業の生産拡大率が高い国であると話す。
他のASEAN諸国と比較して、投資環境の優位性という点では、市場能力、開発潜在力、安定した政治・社会情勢、質の高いスタッフなどが挙げられる。
昨年の最低賃金は上昇しなかったが、日本企業の賃金は平均5.4%上昇した。
ジェトロのレポートでは、温室効果ガス削減の取り組みの流れの中で、企業が「省エネルギー・省資源」に最も関心を寄せていることも示されている。
また、ベトナムの新興企業と提携している企業(5%)、提携を考えている企業(3%)は少ないが、提携に関心のある企業は30%で、アジア・オセアニア地域の平均を上回っている。
新年度の新たな資金流入の見通しについてジェトロは、日越間の国際路線が復旧・安定化すれば、日本企業がベトナムのビジネス環境を調査し、意思決定するための基盤ができるだろうと考えている。
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