アメリカ人の心を掴むベトナムのほうき
Tin 60s
ベトナム語で「Choi bong co Vietnam(ベトナム製草ほうき)」と呼ばれるほうきが、アメリカで「掃除機より役に立つ」と顧客から好評を得ている。
このメイド・イン・ベトナムのほうきは、Amazonで広く販売されている。
プレゼントしたくなる使い心地
ほうきを使い始めたアメリカのマイケルさんは、「ベトナムほうきを使うのにハマっている」と語る。
私の家の床はホコリが目立ち毎日モップ掛けの必要がありましたが、このほうきで掃除をすると小さなホコリもすべてキャッチしてくれるので毎日モップ掛けをしなくても済むと話す。
さらに軽くて使いやすいため、子供たちも喜んで掃除をしてくれ、寝室とバスルーム用に追加で購入をした。
また、友達にプレゼントにしたいほどの良さだとほめている。
他にもこのほうきは今まで使った中で一番使いやすく、特にベットを飼っている人にとっては驚くほどの威力を発揮してくれるという声もある。
また、このほうきを家の掃除用に買うだけでなく、多くのアメリカ人が家やパーティーの装飾のための道具として買っているという。
実際、AmazonやeBayといった世界的に有名なeコマースサイトで5つ星レビューや賞賛のコメントが多くみられる。
しかし、このほうきにも問題がある。
それは使い初めに毛が抜けたり、素材からのホコリが出ることだが、これは使い続ければ解決されることなのでコストパフォーマンスを良いそうだ。
ベトナムでは1本4万〜6万ドン(約200~600円)と格安だが、海外の通販サイトでは20〜30ドル(約2300~3400円)程度の値段で販売されている。
購入者に届けられる際、その完全性を保証するために非常に慎重に梱包され、
「これはベトナムの伝統的な家事用ほうきで、天然素材でできています」
「長さ101cm、幅31cmで、静電気防止、髪の毛の掃除に効果的です」
「ほうきのストロー部分はビニール袋に入っています。お手元に届きましたら、ビニール袋を開けずに振ってホコリを落としてからそっとに取り出し、さらに硬い面にたたきつけてホコリを落として使用してください」などの説明書きもついている。
職人によるほうき作り
ベトナムでは、タムクアン(タイビン省)、バックソン(ゲアン省)、コンニョ(アンザン省)、スモールアイランド(アンザン省)などの村で、このほうき作りが盛んである。
このシンプルで効果的な掃除道具は、貿易会社に買い取られ、後にアメリカや日本、ラオス、カタールなどに輸出される。
地元のほうき職人によるとタイガーグラスと呼ばれるイネ科の植物からつくられ、この草を若いうちに収穫し、鮮やかな色になるまで天日で乾燥させ、滑らかで張りのある質感にしてほうきに編み上げられる。
この草を束ねるのが一番難しく、重要な作業で熟練した職人でなければ、すぐに崩れてしまう。
1本のほうきに必要な束は10~12本で、熟練した職人なら1分間に1本のほうきを編むことができるという。
その後、柄の部分を付け足して完成となる。
輸出用のものは、国内で販売されるほうきよりも高い品質が要求され、草の状態が均一で、しなやかで、シロアリに強いものでなければならないという。
さらにほうきを結ぶ針金がむき出しにならないように、柄の部分を色付きのナイロンやプラスチックで覆い、使う人の手に傷をつけないようにしなければならない。
安全性を満たす品質の高さに加え、送料などの経費がかかるため、AmazonやeBayでの価格が地元価格の数十倍になるのも納得である。
そして、シンプルで実用性に長けたこのほうきが世界の人々の心を掴み愛用されている。
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