日系小売ブランドの躍進と地元企業への教訓
Tin 60s
現地の小売市場には海外の有名ブランドが数多くあるが、撤退または緩やかな運営を続けているにとどまっている。しかし多くの日本の小売ブランドは市場で成功を収めている。
ハノイのユニクロ1号店では、ハノイの文化と伝統に敬意を払った竹製の印象なディスプレイが若者の心を掴んだ。さらに店内に入ると「ようこそユニクロへ!」と温かく迎えてくれる。
無印良品はファッションや家具に加えて、こだわりのお茶やコーヒー、米粉のケーキや和菓子などを揃えたカフェで特別なサービスを提供している。
また、最適な原材料の選択、生産工程の最適化、パッケージの簡素化という3つの基本原則を堅く守り、特に、一部の商品は現地のパートナーから仕入れることで、非常にお求めやすい価格を追及している。
ハノイのイオンロンビエン店では、暑さをしのぐために人々が床に寝転がる動画が話題になった直後、その場所にテーブルとイスが設置された。
イオンモールの「ワンデスティネーション(one destination)」モデルは、ベトナムのお客さまに新しい体験を提供している。大衆向けの低価格帯に特化し、週末のイベントなどエンターテインメントの要素を取り入れ、集客を図り、家族で楽しめる環境を整えている。
このような常に最善をつくすサービスの姿勢が消費者を魅了している。
日本貿易振興機構(JETRO)ホーチミン市の平井伸治首席代表は、近年、日本企業がベトナムで事業を拡大していることを指摘する。
有名なカジュアル小売チェーンのユニクロは、わずか2年で国内に10店舗を展開し、ベトナムの45の縫製工場の購買パートナーになっている。11月上旬には、ユニクロはベトナムにオンラインストアを開設し15,000点以上の商品を揃えている。
パンデミックや小売市場の暗い状況にもかかわらず、家庭・生活用品で有名な無印良品は新店舗をオープンさせた。
ドラッグストアチェーン大手マツモトキヨシの1号店もホーチミン市のビンコムセンターに開店し、今後3~5年以内には主要都市に500~2,000m2の面積を持つ標準的な店舗約10店舗、さらにベトナム国内に数百店舗を出店する予定。
イオンベトナムは、2014年に最初のショッピングセンター「イオン タンフーセラドン」をオープンして以来、全国6つの省・都市に拡大してきた。現在、3つのショッピングモール、3つの百貨店・スーパーマーケット、29の専門店を運営している。
高島屋グループは2012年以降、サイゴンセンター・ショッピングモールをはじめとする不動産など、ベトナムに約50億円を投資している。
高島屋はベトナムで旗艦店を展開し、31の日本ブランドを含む58の商品ブランドをベトナムに初出店させた。
ACA投資ファンドのパートナーをつとめる小野寛幸氏によると、同ファンドはベトナムのファッション小売や消費者サービス分野の優良企業への投資を目指しているという。
無印良品ベトナム永岩徹也代表は、ベトナムの小売市場の潜在力は世界でもトップクラスで、継続する経済成長と中所得の若者の人口が絶えず増加していることから多くの投資家を惹きつけていると話す。
ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正氏は、ベトナムが同社にとって東南アジアを代表する重要な生産拠点であることを強調した。
これらの日本企業の動向は、ベトナム企業に計画的かつ長期的な投資戦略を立てなければ自国での地位を失うことになると警告している。
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