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日本で活躍する、ベトナム人化粧品研究者: “スキンケアを優先しましょう”

Lifestyle    • 2017年11月02日

Text: Le Mai/ Photo: Huynh Ngoc Chau/ Translator: Arai Yuuko

ゴック・チャウさんは、大学で、応用化学を専攻し、2008年に主席で卒業し、2013年に、日本の京都工芸大学にて、博士号を取得。その後、日本の化粧品メーカーで、商品の研究開発の仕事に就きました。2014年には、日本化粧品原料協会の最優秀研究賞を受賞しました。ゴック・チャウさんの研究によって、現在、多くの商品が日本で販売されています。洗顔フォーム、化粧水、保湿クリーム、マッサージクリーム、日焼け止めクリーム、ファンデーション、口紅や、その他の化粧品などにも及びます。今回、彼女は、キララに有益で興味深い話をしてくれました。


どのような経緯で、日本で化粧品の研究をするようになったのですか。

私は、普通教育の時から化学が好きで、いつか自分自身で製品を作りたいと思っていました。2002年から、日本に留学すると、日本の気候にアレルギー反応が出て、肌が荒れやすくなったことから、私のように海外で生活する敏感肌のベトナム人に合う化粧品があればと考えるようになりました。また、日本は、化粧品業界、科学技術ともに進んでいます。そういったこともあって、化粧品の研究者となりました。


日本人女性の輝きのある、きめ細かい肌を、あらゆる国の人々が羨ましいと感じています。日本人女性が、理想的な肌を維持できる秘訣は何でしょうか。

生まれた時は、日本人、ベトナム人にかかわらず、皆透き通るように白く、きめ細かい肌を持っています。そのため、日本人女性の肌が生まれつき、特別美しいとは言えません。温和な気候や環境が良いといった先天的な要素との関係を否定できませんが、後天的要素が肌の美しさを決定づけていると、私は考えています。具体的に言うと、肌のスキンケア方法や、食事、休養です。日本では、肌のお手入れは、起床した時にするのが一般的です。それ以外にも、日本人女性は、肌に直接つける化粧品は、品質の良さで選んでいます。また、スキンケアについては、若い時から意識しており、理想的な肌にするため、正しいやり方で、バランスよく行っています。野菜を多く食べ、食品は新鮮です。そのため、いくつになっても、日本人女性の肌は若々しく、スタイルも細く引き締まっているのです。


研究者が新しい製品を生み出す時に、日本の化粧品メーカーが、最も意識しているのは、どのような点ですか。

当然、まず初めに研究者は、製品のコンセプトについて考えなくてはなりません。例えば、その製品の効果はどのようなものか、誰が使うのか、いつ使うのか、といったことです。それ以外では、安全性について毎回注意を払っています。安全性の基準に基づき、製品に使う原料やパッケージを決めています。


世界で注目を集めている化粧品が、日本製であることが少なくありません。しかし、日本に来た外国人観光客は、名前も聞いたことがない多くの日本製の化粧品を見て、そのような商品に魅力を感じることがあります。この状況について、どのようにお考えですか。

日本には化粧品会社が大小合わせて、6,000以上あります。有名ブランドは、海外へ市場を広げるのに有利です。そのため、外国の消費者に名前が広く認知されます。しかし、日本で販売されている化粧品は、大変種類が豊富で、化粧品の機能やパッケージは様々です。まだ名前が知られていない化粧品であっても、基本的な安全基準を満たしています。そのため、外国人観光客は夢中になってしまうのです。


日本の化粧品の発展を身近で見てきて、現在は、どのような傾向があると感じていますか。

保湿について言うと、“天然素材への回帰”が挙げられます。日本の保湿効果のある商品の大半が、この傾向を受けています。抽出され、使用される天然素材は日々、多種多様になっており、添加物や、パラベンという保存料が使われない方向へと進み、女性の関心を集めています。それ以外にも、デトックスウォーターや、昆布茶といった、豊富に鉱物やビタミンが含まれている、美肌効果のある製品も、注目されています。浸透力に優れた、ナノ製品や、イオン治療を応用した製品なども、誕生しています。

 メイクについては、今年最も目立ったのは、“二日酔い”メイクです。このメイクの人気は、来年も加熱するでしょう。日本語で“二日酔い”は、前日飲んだお酒が、次の日になってもまだ残っており、頭がぼんやりし、酔いが冷めない状態のことを言います。前日に、化粧をしたまま寝てしまったら(実際は、寝る前に化粧を落とさなくてはなりません)、起きた時には、赤くなっており、目は自然な感じで少し汚れ、化粧はしているものの、ノーメイクように見え、肌は艶やかで、きめ細かく、自然な雰囲気なものになっています。“二日酔い”“再現”といったメイクが、人気となっています。


ご自身でオーガニック化粧品のブランドを立ち上げたとお聞きしました。このことで、どのような困難がありますか。また、その商品をベトナムで展開するお考えはありますか。

先ほどお話したように、自分とあらゆる人にとって、安全な化粧品を作ることが目標であり、夢です。日本で働くなかで、専門分野も深まり、肌のお手入れについても分かってきました。日本人女性で、いくつになっても、若々しい肌でいられる方は、正しいやり方で、スキンケアを行っています。私は、ベトナム人の女性に自分の文章で、このことを伝えたいと強く感じるようになってきました。

商品について言うと、技術面以外で一番重要なのは、原材料と成分の配合方法です。日本でさえも、販売されている商品の大半は、大多数の方のニーズに答えているだけで、敏感肌や妊娠中の方が美容について求めるものを理解できていません。有機化合物の製品や、その人自身の細胞が配合された製品を、届けたいと思っています。そうすることで、安全で、年齢を重ねても美しくいられます。また、真の美しさを手に入れることで、浮き沈みのある日常を、自信を持って過ごせることでしょう。このように申し上げるのは、化粧品の研究者であるだけではなく、私も一人の女性だからです。

 私の夢は、ベトナム人研究者によって、ベトナム人のための国際品質の化粧品を作ることです。

 この道は、困難が多いことでしょう。現在、肌の老化に対して、何もしないでそのままにしている方々もいますが、あらゆる方が美しさを強く求める気持ちがあるため、私は夢が叶うと信じ、継続していけるのです。

チャウ先生の最新のオーガニック化粧品

オーガニック化粧品のなかには、チャウ先生の最新の研究成果に基づいたものもあります 


ベトナム人女性に肌のお手入れについてアドバイスを下さい。

日本語には“蒔かぬ種は生えぬ”という慣用句があります。これは、稲や種を植えなければ、甘い果実は収穫できないという意味です。20歳を超えると、老化が始まるので、ベトナム人女性も、早期に肌をお手入れするという意識を持ちましょう。また、化粧品の知識が豊富な人が少ないのが現状です。肌にとって、“ほどほどが良い”化粧品は意味がありません。高価なものか、ブランドの製品、少なくとも、安全な製品を使うことを心がけましょう。

肌は、バランスの取れた長期的な肌のお手入れによって結果が表れます。“急激に到達する”ことはありません。簡単にアドバイスをすると、2つ化粧品を選び、それをしっかりと使い込むことです。


本当に、ありがとうございました。近い将来に、ベトナムの女性たちが、インタビューでお話があったように、チャウ先生の安全な化粧品を使えるようになることを楽しみにしています。

LE MAI/ kilala.vn

フィン・ゴック・チャウ博士

化粧品研究を専門とし、博士号を取得

フィン・ゴック・チャウ(1983年生まれ)

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22万ドン以上のお支払いで、4号分のキララをお届けします。さらに素敵なプレゼント。

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