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今出みおさん:「私はサイゴンをずっと愛しています」

Family    • 2019年05月15日

Text: ROAN / Photo: 本人提供 / Trans: Le Lieu Ngoc

私が子どもだった頃、ベトナムでは激しい戦争が繰り広げられていました。しかし、ベトナム人はこの戦争の悲しみを感じたからこそ、何よりも平和を大切にして、優しくて愛があふれる国へと甦えさせることができたのかもしれません。私は、このようなベトナムの中でも、サイゴン(ホーチミン市の旧名)を最も愛しており、この地で一生を終えたいと思っています。

Mio Imade

小さい頃にテレビでベトナムのアオザイを初めて見たとき、私は「こんな綺麗な民族衣装が世界にはあるんだ!」と感動しました。それ以来、いつかベトナムに行きたいという思いが芽生えました。大人になってから初めて憧れていたサイゴンに旅行に行って、いっぺんにベトナムが気に入って、ベトナムに通い続けたいためにベトナムに携わる仕事をしていました。それがきっかけで今の主人と出会いました。

主人はベトナムのメコンデルタの出身です。人々は優しくて、郷士料理がおいしい地方です。その郷土料理の中で一番好きなのがBanh Xeo(ベトナム風のお好み焼き)です。日本人である私でさえも、その風味に漂うふるさとの“魂”を感じます。Banh Xeoは、家族が集まったときにみんなで作って食べながら、日常の生活を語りあうひと時をもたらす、家族の絆を深める料理とも言えるでしょう。

Mio Imade

サイゴンで暮らしてきたこの2年半はあっという間で、ベトナム語が話せなくても、私にはサイゴンの心が感じられます。日本人の血が流れていますが、生き生きとしたサイゴンの雰囲気を吸収しながら生きています。サイゴンの人々はとてもフレンドリーで親切です。サイゴンは、いつでもいろいろな地方からやってきた人たちを優しく受け入れるからでしょう。私も、主人はもちろん、スタッフや近所の人たちまでが親切にしてくれて、とても幸せに過ごしています。日本に帰らずにホーチミンで子どもを産むことになったときも、外国での出産に不安はありましたが、主人やお医者さん、スタッフをはじめ、周りの多くの人に支えてもらって、無事に出産することができました。

Mio Imade

また、主人や友人、スタッフが手伝ってくれるおかげで、仕事と子育ての両立もできています。仕事は充実しており、ゆっくりした時間がなかなか取れません。子どもをSuoi Tien遊園地(テーマパーク)へ連れて行ってあげたいと思っているのですが、まだ実現できていません。何とか機会を作って、子どもと一緒に行って、思いっきり遊んでみたいですね(笑)。

大好きなサイゴンですが、がっかりしたり驚いたりすることもあります。例えば、仕事で、時間を守らないベトナム人が多くいること。これには、いささか困りました。でも、人間は完璧ではないし、文化の違いの理解に勤め、相手の欠点を受け入れ、一緒に楽しく働くようにしています。

私にとって、サイゴンはもう故郷のようで、この地で一生を終えたいと思っています。私の最期はお気に入りのアンティークのSong Beの壷に骨を入れてもらいたいですね(笑)。

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