感動的な風景、やさしい人々、おいしい食べ物…。さまざまな出逢いや発見は、旅の醍醐味。日本の南部、九州地方の一角にある長崎県も、そんな出逢いや発見であふれています。長崎といえば、平和を願う街、世界遺産がある街、魚介がおいしい街…あげればキリがないほど、たくさんの「顔」があります。そんな「顔」をひとつひとつ心に刻みながら、ここにしかない出逢いを探しにきてみませんか?長崎県は、日本人の旅行者が選ぶ「地元のホスピタリティを感じたランキング」で2位になるなど、人の温かさをとくに感じられる場所でもあります。
去る2016年、ベトナムからもたくさんの人が訪れ、また多くの新しい絆や思い出が生まれました。今回は、そんな思い出の一部をご紹介します。
高校生が過ごした12日間
ホームステイ先での温かいおもてなし
ベトナム交流人財招致事業の一環で、6月末から7月頭にかけて、ホーチミン市の高校生26名(Le Quy Don高校、Marie Curie高校、Trung Vuong高校、Tran Dai Nghia高校)と引率教員が長崎を訪れました。12日間に渡ってベトナムの学校や産業施設、観光名所の視察を行ったほか、長崎に住む人の家に泊まるホームステイも体験。ホストファミリーの温かいもてなしや、日本人の実際の暮らしぶりなど、単なる旅行では得られない貴重な体験に、高校生たちもたくさんの刺激を受けたようです。
同年10月には、日本人ホストファミリー17名がホーチミンに訪問。再開を喜び、生徒たちは、たくさんの感謝の気持ちを今度は自分の国で恩返ししました。今回の交流で、彼らにとって長崎が「第二の故郷」になったことでしょう。
参加した高校生の声
「原爆資料館では、平和の大切さを改めて強く感じた」「ベトナム人留学生の実際の話を聞いて、自分も将来日本に留学しようと決意した。この実習の間に日本語の力もとても成長したと思う」
「雲仙岳の災害記念館では驚くことばかりだった。このような災害があっても日本は諦めずに乗り越え、それで今の日本があるのだと感じた。」
「ホームステイの体験はとても新鮮だった。いっしょに寿司を作ったり、日本風の寝室で寝たり、茶道の体験をしたり、BBQをしたり…。楽しすぎて、その日の夜なかなか寝られなかった。」
アニオー姫
初めてベトナム人が長崎に渡ったのは、400年近くも前のこと。そのベトナム人というのが、荒木宗太郎という商人の妻としてやってきたアニオー姫です。彼女は生涯長崎で暮らし、今は長崎市内にあるお墓に、荒木宗太郎といっしょに眠っています。お墓は今でも大切に守られ、たくさんの人にこの史実を知ってもらおうと、英語やベトナム語の看板も設置されました。また、荒木宗太郎とアニオー姫は、長崎で毎年行われるお祭り「長崎くんち」(前号vol.22でも長崎くんちの紹介をしています)で登場する御朱印船の主人公でもあります。長崎の人々に愛されたアニオー姫に、是非会いに来てくださいね。
SENDA MAYU/ kilala.vn