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姫路城-日本で最も美しい城建築

Travel    • 2018年03月06日

Text: Senda Mayu/ Photo: Himeji City/ Cooperation: HIS Song Han VN Tourist

その白く美しい出で立ちが、白鷺が羽根を広げた姿のようだという。兵庫県・姫路市に位置する姫路城は、別名「白鷺城」とも呼ばれる。天守閣が当時のまま現存している城は、日本内でも姫路城を含む12城のみ。近年になって復元されたものも多い中、姫路城は、主要な城郭の構造が、ほとんど建築当時のまま残されている。

姫路城

姫路城の白く美しい出で立ちが、白鷺が羽根を広げた姿のようだという (Photo: Himeji City)

姫路城は、1333年、赤松則村という武将が、現在の姫路城がある姫山に砦を築いたことから始まる。その後、城が築かれ、数々の武将によって城が統治される。池田輝政が城主であったとき、城の大改築が行われ、1609年に現在の姫路城の形が完成した。以来、400年以上の歴史の中で、奇跡的に一度たりとも戦場の舞台にもならず、近代の戦災に遭うこともなく、建築物の焼失を免れてきた。日本で最も美しい木造建築物のひとつであること、長い歴史の中で良好な状態で保存され、日本の城郭の構造を示す貴重な産物であることが評価され、1993年には世界遺産に登録された。奈良県の「法隆寺地域の仏教建造物」とともに、日本で初めての世界文化遺産となった。

空から見た姫路城

空から見た姫路城。迷路のように入り組んだ構造や、随所にちりばめられた仕掛けによって、敵が簡単に天守に近づけないようになっている。これも戦火を免れた理由のひとつ (Photo: Himeji City)

白鷺の異名をもつ由縁は、白漆喰総塗籠造という技法が用いられているためだ。漆喰とは、石灰に糊や刻んだ麻などを混ぜ、水で練り込んだものを塗る技法。日本の伝統的な家屋で用いられる。「Shiro-shikkui」とは白い漆喰のことで、着色していないため純白に仕上がる。「Sounuri」は屋根以外の部分を全て塗ること、「Gomezukuri」は木材などを漆喰で塗り固めて耐久性を強くすることをいう。漆喰には元々、防水・防火・防弾などの効果がある。姫路城の美しい白さ、400年のときを乗り越えてきた歴史は、この技法なしでは語ることができない。

2015年3月には、5年半にも及んだ大改修がようやく完了。約15.000人の職人が携わり、屋根の修繕や、Shiro-shikkuiの塗り直しが行われた。屋根の瓦と瓦の間にも白漆喰が塗り込まれているため、改修直後はあまりに白すぎると話題になった。4〜5年たてば、風雨にさらされて汚れやカビによって黒ずんでくるため、落ち着きのある色合いに戻るという。次の改修は、きっとずっと先になるだろう。また白い姫路城が現れるとき、どんな時代が訪れているのだろうか。

刑部神社

姫路城の最上階に祀られた、守り神・刑部神社。姫路城が建つ前から祀られており、一度は移動したが、呪いの噂が絶えず、元の場所に戻された (Photo: Himeji City) 

ロの渡櫓

小さい天守と天守をつなぐ廊下、「ロの渡櫓」。人が通ると傷んでしまうため普段は非公開だが、春と秋の特別公開のときだけ見ることができる (Photo: Himeji City) 

大天主からの眺め

大天主からの眺め。敵が攻めてきたとき、この場所からようすを見ていたのだろうか (Photo: Himeji City) 

観光船

お堀をゆったりと進む観光船も人気。桜の時季は毎日運航する (Photo: Himeji City)

SENDA MAYU/ kilala.vn


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