入学を希望する留学生のための試験って何ですか?
Study in Japan
Text: VietFuji/ Photo: PIXTA/ Translator: Inako
日本では近年、各業界において深刻化している人材不足を解決するため、外国人留学生を誘致する政策が実施されています。これにより、今後、留学生に対する教育制度はますます充実していきますが、その一方で、各大学からの要求も更に厳しくなっているそうです。
留学生のための日本留学試験(EJU)
文部科学省の統計によれば、2014年時点では、日本に国立86校、公立86校、私立603校、計775校の大学が存在したそうです。私立大学は国公立大学と比較すると、学費はほぼ2倍であり、奨学金制度も取り入れにくいです。それに対して、国公立大学には、留学生が活用できる、学費の全額または半額を免除する制度が多くあり、そして日本の民間企業や民間奨学団体からの奨学金を受けられることもあります。
基本的には、私費外国人留学生が日本の大学へ入学する際必要な試験といえば、日本留学試験と大学独自で行う二次試験です。日本留学試験(EJU)は留学生の日本語力や基礎学力の評価を行うことを目的に実施する試験です。ほとんどの大学が、EJUの成績を入試に利用しています。成績優秀者の中から希望者は、日本の大学入学後に「文部科学省外国人留学生学習奨励費」(JASSO)の奨学金などを受けることができます。
EJUは毎年,日本国内外ともに6月と11月の2回実施しています。願書受付期間は試験日の約4ヶ月前に設定され、そして成績通知が、その約1ヶ月後郵送されます。
日本留学試験の出題科目
※理科と総合科目を同時に選択することはできません。
※出題言語は、日本語と英語があり、出願時に選択できます。
日本留学試験の対策について
★日本語:
日本留学試験の総合得点の半分以上を占める科目は日本語。では、その対策として、どんな教材を使えばよいのでしょうか。
まずは、基礎的な日本語をしっかり身に付けてください。日本語能力を向上させるため、ネット上にもたくさん掲載されている、日本語能力試験(JLPT)対策の本を使用すればいいです。例えば:
- 新完全マスター 文法・読解・聴解
- 耳から覚える語彙トレーニング 語彙
- saromalang.com 文法・日本の文化
- nhk.or.jp/lesson/vietnamese NHK WORLDのラジオプログラム「やさしい日本語」
しかし、JLPTと違い、EJUは「読解」と「聴解」の力が重視されているという特徴があるので、必ず注意してください。
他に、EJU対策の本も多くあります。「Examination for Japanese University Admission for International Students」という日本留学試験対策問題集やJASSOの出版した本を参考にすればいいです。基礎力を固めた後、過去問をたくさん解いて実践的に力をつけてください。
★他の科目:
基本的に、日本留学試験を受験するために必要な基礎的な知識は各国の大学入学試験とほぼ同じレベルです。なので、日本の高等学校の教科書で通常用いられている用語を理解できれば、EJUの問題を解決することができます。ベトナムの留学生がよく使う参考書といえば、「理解しやすい」です。また、自分の弱点を把握するため、定期的に行われる模擬試験を受けたらいいです。
★試験当日の準備について
鉛筆と消しゴム、腕時計、水、受験票の準備。
試験中の規則をきちんと守りましょう。違反すると、試験成績を無効とされ、あるいは将来受験できないこととなっています。
試験開始前には、問題の透かし読みを必ずやり、試験時間を問題数で割いて問題を解く順番を決めておく必要があります。
大学独自の個別試験
近年、国公私立大学を問わず、入試において日本語能力試験の点数ではなく、大学独自の個別試験を重視する大学が多くなっています。面接試験を中心とし、受験生の日本語能力だけではなく、数学や理科、科学、社会問題についての基礎的な知識も評価されます。特に有名な大学では、学科試験よりも、日本人の受験生と同じレベルの作文・小論文の試験が課されることもあります。書類審査で受験生を選ぶ大学の場合、十分に必要書類や留学・志望理由書を準備しておく必要があります。
志望校選びのポイント:
志望校選びはとても難しい問題です。志望校を決める際に、ぜひ次のことを考えてみてください。
★学費・奨学金制度:
例えば、学費が安く、学費免除や学内奨学金制度を利用しやすい大学の方がいいとしたら、国公立大学に出願したらいいです。
★自分の学力や能力:
まず、自分の学びたい分野を考えてみてください。それらの分野を学べる学校の情報を集め、その中から一番自分の学力や能力に合っている学校を選んでいきましょう。
★将来やりたい仕事:
将来、どんな仕事をしたいか、どのような就職先を希望しているかということも、志望校選びには大切なことの一つです。
★卒業後の就職率:
日本の大学には、東京大学や京都大学、名古屋大学などの世界レベルの大学もあり、あまり有名ではない大学もあります。有名校へ進学できれば、レベルの高い知識や技術を身に付けることもでき、卒業後は有名な会社に入れるチャンスも広まっています。しかし、そのような大学は、学力の高く、チャレンジ精神のある人にしか合っていないので、しっかり考えてから出願準備を進めましょう。
VIETFUJI/ kilala.vn