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ベトナムシクロを日本で起業

Business    • 2018年01月01日

マイさんは、日本に対する情熱と愛情を持っています。それは日本語教師をやっている母親の影響によるものだったそうです。マイさんによると、自分の様々なひらめきや発想は母親から受け継ぎました。Kilalaはマイさんから、日本での17年間の感動的な旅について聞く機会をいただいた。

豪華で上品なベトナムのイメージを構築することを目的としてプロジェクト「リムジンサイクロ」の創設者のマイさん

豪華で上品なベトナムのイメージを構築することを目的としてプロジェクト「リムジンシクロ」の創設者のマイさん

日本で事業に挑戦
マイさんはベトナム中部にある古都フエの出身でしたので、幼い頃は祖母と一緒にシクロで市場に出かけることが多く、シクロは身近な生活の一部でした。シクロとは、前輪2輪、後輪1輪の自転車タクシーです。近年、シクロはベトナムの各地からその姿を消しつつあり、存続の危機に瀕しています。
マイさんは、このベトナムの文化であるシクロをなくさないためにも何とかしたいという思いを長い間持ち続けてきました。2016年、たまたまテレビで観たリオオリンピックの開会式で、花を運ぶ人力車を見た時、「東京オリンピックが行われる2020年に、日本の街中をベトナムのシクロが走ってたら!」と考えました。
日本では東京の浅草や京都の嵐山などで人力車が走っていますが、シクロも日本で走っていたら、それはとても素晴らしいことだと考えました。そんな思いがつのり、彼女は仕事を辞め、事業を立ち上げることを決心するのでした。そして、2017年にベトナムからシクロを日本に持ち込み、プロジェクト「リムジンシクロ」をスタートしました。

ⓒ PAROMA社WEBサイトより

ⓒ PAROMA社WEBサイトより

シクロはベトナムから持ち込んだままのものではなく、強度、耐久性や乗り心地などの水準を上げるため、まず彼女は独自の厳格な品質基準を作り、ベトナムでその新しい仕様のシクロを作れる工場を見つけることなど多く課題を乗り越えなければなりませんでした。しかし、困難はそれだけではありません。日本への輸出でも、また越えなければならないハードルがたくさんありました。税関から警察署まで多くの日本の役所に申請をして、許認可を受けるなど多くの苦労を経験しました。苦労の甲斐もあり、銀座周辺のブランドとも協力し、今では東京の銀座で「リムジンシクロ」ツアーを催行しています。銀座周辺のブランドイメージに合わせるため、「リムジンシクロ」の運転手には、身長が172㎝以上、最低でも2、3ヶ国語を話し、笑顔を絶やさないなど、厳しい要件を課しています。

日本で新しいサービス「リムジンシクロ」をPRするため、彼女は代々木公園で開催される「ベトナムフェスティバル」など多くのイベントにシクロを持ち込んで参加しました。PRの効果もあり「リムジンシクロ」の認知度は高まりました。2018年から2019年にかけて「リムジンシクロ」は日本のマスコミにも数多く取り上げられました。

マイさんはサービス「リムジンシクロ」のPRのため、代々木で開催される「ベトナムフェスティバル」に参加した

マイさんはサービス「リムジンシクロ」のPRのため、代々木で開催される「ベトナムフェスティバル」に参加した
マイさんは現在、RAROMA社を立ち上げ、シクロの運行業に加え、ベトナムの手工芸品の日本での輸入販売と、翻訳や通訳の2つの分野にも手を広げています。今後は日本からベトナムへの商品の輸出販売も考えています。

日本での創業について
日本でキャリアを積むことは、ベトナム人にとっておそらく容易なことではありません。マイさんは、家族のサポートがあったことがとても幸運であり、それが彼女自身の大きなモチベーションの源であると語っています。また、マイさんの周りの人達は、マイさんを応援する気持ちを持っていたので、「リムジンシクロ」というプロジェクトを立ち上げた時、多くの友人やパートナーが手伝ってくれました。マイさんは今でも周りの応援してくれた人達に感動し、感謝しています。日本は難しい市場です。というのも日本の消費者の厳しい基準を克服するためには、自身の思いや好みだけを押し通すだけではダメであり、さらに法律を遵守する必要もあります。

ベトナム大使館開催のベトナムフェスティバルに関する放送プログラムのMCを担当

ベトナム大使館開催のベトナムフェスティバルに関する放送プログラムのMCを担当

マイさんは、家族と仕事のバランスをとる上で、次の3つのルールを守っています。まず、80/20の法則、これは結果の80%は20%の原因から生まれるというものです。完璧主義ではなく、自分にとって重要で必要なものを選択すると良いということです。次に、「The One Thing」という本を読んで気づいたことですが、仕事と家庭のバランス(ワークライフバランス)は、50対50とせず、その時々の状況なでにより臨機応変に決めることです。最後に、自分を愛し、時間をかけて自分を磨くことです。まとまった時間が取れた時などには、彼女はしばしば家族と一緒に旅行を楽しみます。

マイさんは、ベトナムのシクロ文化を守り、活性化したいという願いと、ベトナムと日本の架け橋になるという夢を持って、銀座で、プロジェクト「リムジンシクロ」を立ち上げました。それは多くのベトナム人に強いインスピレーションを与えました。彼女の評するそのイメージは、現代女性の代表であり、夢は十分な努力と献身があれば達成できることだと感じさせてくれました。Kilalaはこれからもマイさんの事業を見守り、応援し続けていきたいと思います。

2019にビングループ、RAROMA社、Dream Studioが共催した日本庭開会式 ”WHERE CULTURE MEETS FUTURE”に参加しているマイさん

2019年にビングループ、RAROMA社、Dream Studioが共催した日本庭開会式 「WHERE CULTURE MEETS FUTURE」に参加しているマイさん

マイ・ホアイ・ジャン:
日本語、ベトナム語、英語、中国語の4ヶ国語を操る。
2004年に来日。立命館アジア太平洋大学・国際関係科を卒業後、ユニクロ、株式会社アタゴでの勤務を経て、2017年にRAROMA 株式会社を創立。
RAROMA社WEBサイト:http://raroma.co.jp/ 
RAROMA社ファンページ:https://www.facebook.com/RaromaInc/ 

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