ベトナムの農産物を世界に広げる女性
Business
地元の農作物で世界進出
故郷でトウモロコシを使ったビジネスを始めたホアン・フォンさん(Hoang Phuong/25歳)はMC、編集者、そして女優として活躍し、2021年のパリ国際映画祭では、ベトナム人女優として初めて最優秀国際俳優賞を受賞した経歴を持っている。そんな彼女が農産物加工ビジネスを始めるきっかけは、日本に行ったとき生活や経済の発展、特に農業経済に感銘を受け、「故郷で何か農業に関わることができたら」とふと思ったからだという。
実家は農家で20年以上前から非遺伝子組み換えトウモロコシを自然栽培し、また姉も農産物の開発に熱心だったこともあり、すぐに計画を立てた。
さらにトウモロコシについて調べてみると、ヨーロッパでは自然栽培のトウモロコシを使った高級パスタがあることがわかり迷わず「ベトナムナプロ協同組合」を設立し活動を始めた。
まずはコーンヌードル作りを始めた。最初の1年は非常に困難で、トウモロコシの生地がダマになったり、硬くなったり、壊れたり、ベタベタしたり、機械に入れても麺が出てこなかったり、大量のトウモロコシを捨ててしまったりと、あきらめたくなることもあった。思い出せないほど何度も何度も挑戦し、ようやくコーンヌードルを作ることに成功し製品となった。
そんな矢先、新型コロナウイルスパンデミックが世界的に流行し、保存ができる乾燥食品の需要が高まり、ライスバーミセリ(ビーフン)やヌードル製品の輸出が堅調に発展した。
また、ヨーロッパ諸国への輸出の誘いがあったことで自信を深めた。
絶え間なく技術が発展する中で、地元の農業からビジネスを始めることは簡単ではありませんが、私たちの協同組合はトウモロコシ製品の生産・加工に注力するだけでなく、地域社会がコーンヌードルのビジネスから利益を得られるよう、雇用を促進し、非遺伝子組み換えのトウモロコシ品種の開発を続けていきますと、フォンさんは今後の展望を語ってくれた。
ベトナムフルーツの魅力を広める
農業から始まった国であるベトナムの農産物には、おいしい果物がたくさんありますが、ベトナムの果物ブランドをどうやってアピールするかは、多くの農家の悩みの種です。そう話すのはミアフルーツ社(Mia Fruit Company)の取締役であるグエン・ゴック・フエンさん(Nguyen Ngoc Huyen/29歳)だ。
果物の輸出入の分野で8年の経験を持ち、世界市場におけるベトナムの果物拡大の障壁をよく理解している。
彼女が国際的な見本市でベトナムの果物やベトナムの各地域の固有の製品について多くの質問を受け、気が付いたことは、外国人が興味を持ちネット検索しても完全な情報がないということだった。
そこで彼女はデジタル化した「ベトナムフルーツマップ」を作成し、63省・市の特産品、地理的表示、栽培地域、全国の果物生産量などの詳細を簡単に知ることができるようにした。
このウェブサイトはベトナムの果物に関する情報やデータを、地理的表示や地域の固有種に応じ体系化している。
また、国内外のイベント、展示会、会議、果物見本市でベトナムの果物のイメージと品質を宣伝し、新しいアプローチで国内での果物の消費を促している。
さらに市場の需要に応じて農家が適切な作物を栽培するための戦略的な方向性を打ち出すために所轄官庁や地方自治体に協力している。
今年の9月上旬、ベルギー、イタリア、オーストリアで開催されたビジネスフォーラムに参加した際には、新型コロナによる長期社会的距離規制の中で、どの国の人もベトナムにどんな種類の果物があるのか、どんな基準を満たしているのかを知ることができるこのベトナムフルーツマップがアピールすることに役立った。
今まで、フルーツマップを完成させるために、農業コンサルタントのチームを招いたほか、各農家に出向き、農家の人たちと話をして、現地のデータをまとめて、少しずつマップを完成させてきた。
次の段階として、各協同組合の生産販売力の強化や物流の促進を支援できる体制を整えて、さらにベトナムフルーツマップを充実させていく予定だと彼女は話してくれた。
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