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ハイテクいちごの栽培に成功した日本人

Business    • 2018年07月20日

Interviewer: Kento, Inako/ Photo: Inako, Thao Le

ダラットはいちごの里と言われていますが、日本産のものに比べるとまだ大きな差があると言われています。しかし、多くの困難を乗り越えて、武部邦治さんはこの高原で日本産と遜色ないいちごを栽培する事に成功しました。

2016年末にベトナムでは、ハイテク技術を応用してダラットで栽培された日本品種のいちごを味わう事ができるようになりました。どのような理由から貴社がベトナムでこのいちご栽培を始めたのか教えていただけないでしょうか。

弊社は日本でホシナグループという企業グループを形成し、グループの3社でベトナム人実習生50名を受け入れており、総従業員600名で様々な事業を行っています。ベトナム人実習生の皆さんは当社グループの運営において大いに活躍・貢献していただいている事から、ベトナムへの恩返しが出来ないか検討した結果、2013年に「農業で」との結論に至りました。そして、農業で何をするかを考える中で、ベトナム人の方々の思い入れが強い「いちご」の栽培を行う事としました。

クリエートスターベトナム

2014年にハウス等の建設を行い、2015年から日本品種のいちごの栽培を開始し、2016年11月に日本産と遜色のないの「いちご」の栽培に成功しました。    


どのような農産物でも原産地以外で初めて栽培する際には培地の違いを乗り越えることが最大のチャレンジとなると聞いています。日本品種のいちごをベトナムで栽培するにあたり、ハイテク技術を応用するのはその障壁を乗り越える一つの鍵となったのでしょうか。

もちろんです。例えば、初めの1年間はダラットの「温度」「湿度」「風量」等の環境と日本品種の「いちご」が適している環境との整合に至るまでがたいへんでした。

武部邦治さん

武部邦治さん。

日本では温度管理や液肥濃度・灌水量などの管理はコンピューター制御し、自動で行っていますが、ダラットでも「液肥濃度」「灌水量」「含有成分」等の基礎数値はコンピューターを活用したハイテク技術にて算出した数値を利用しています。ただし、配電等の諸事情から、現在は都度人間が管理し対応していますが、今後、配電状況が安定した段階で全自動化し、フルにハイテク技術を活用する予定です。      


逆に、ダラットでのいちご栽培にあたって良い面は何ですか。

「いちご」に限らず「気候環境」は全ての青果栽培において重要な要素と言えるのですが、ダラットの「気候環境」は「いちご」の栽培に非常に適していると言う事は良い面です。この最適な気候環境の中でハイテク技術によって算出した基礎データに基づいた細かな調整を行うことで日本の品種の「いちご」の栽培が出来ました。ベトナムの皆さんに2016年末、ダラットでハイテク技術を応用して栽培された日本の品種のいちごを味わっていただく事が出来たのは私たちにとって大きな喜びです。

クリエートスターベトナム


日本産とダラットで栽培するいちごを比べてその違いはいかがでしょうか?

大きさと色に関しては日本産と同等です。味に関しては、甘み(糖度)・酸味などは日本産よりも数値が高く、美味しい「いちご」が実っています。

クリエートスターベトナム


貴社の今後の計画を教えていただけないでしょうか。

まずは日本の栽培技術を多くのベトナムの人々に伝え、日本品種の美味しい「いちご」をより多くのベトナムの皆様に食べてもらう事を目指しています。そのためには、日本品種のいちごは「柔らかい」という特徴がありますから、より遠くまで実を傷つけずに搬送できるような移送手段を確立する事、また、日本品種の美味しい「いちご」を利用した新商品を開発する事も大事です。

今、私の教え子である・Doan Dinh Duyが我々日本人から習得した栽培技術をベトナムの人々に伝えてくれています。将来、農園の責任者(管理者)となって、ベトナム人だけで日本品種の「いちご」を栽培できる事を願っています。

武部邦治さんとKilala編集部。

kilala.vn

クリエートスターベトナム有限会社

Mang Lin, Ward 7, Da Lat City, Lam Dong Province  
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