発展が期待されるAI開発事業
Business
AI(人工知能)技術はベトナムで発展し続けており、eコマース(電子商取引)、輸送、教育などの多くの分野で使われている。
ベトナム‐オーストラリア人工知能協力ネットワーク(Vietnam-Australia Artificial Intelligence Cooperation Network)のデータによると、ベトナムの国際的なAI関連記事数は、特に一流の国際ジャーナル誌で増加を続けている。
1996年から2018年の期間に、Web of ScienceおよびScopusデータベースでベトナムのAIに関する記事数は、ASEAN地域で5番目となっている。2010年、ベトナムのAIに関する記事は134点あり、2018年には525点となり、その数を年々伸ばしている。
また、AIに関する372件の特許出願を行っており、ASEAN地域で2位にランクされている。
人材育成
2019年、ベトナムの情報通信技術(ICT)業界の人材総数は約97万人であり、そのうちソフトウェアおよびデジタルコンテンツ部門は約18万人を占めている。 AI研究者(国内外)の数は1,600人とされる。
ベトナム‐オーストラリア人工知能協力ネットワークによると、ICT (Information and Communication Technology/情報通信技術)全般、特にベトナムのAIにおける人材需要は増えている。 2030年にはベトナムで約100万人のICT要員が必要になると予想される。
ベトナムにはAI関連の学部も持つ大学が50校あり、国際会議が毎年開催されているが、今後の人材育成の課題は地域および世界をリードするトレーニングおよび研究機関の欠如、国内企業による研究開発への取り組みの欠如などがあげられる。
AI事業への投資、政府の支援
産業、農業、ヘルスケアなどの分野では、企業の13.6%のみがAIアプリケーションに投資し、36.4%が投資を計画している段階だ。
ベトナムにはFPT、Viettel、CMC、VNG、VNPT、VinGroup、Google、Amazon、NVIDIA、IBMなどの大手AI企業があるが、AI市場はまだまだ小さい。
政府は2030年までのAIの研究、開発、応用に関する国家戦略として、AIに関連する省レベルの96のプロジェクトに169兆VND(約8,200億円)以上をあてている。
しかし、国としての戦略がない、法的枠組みが整っていないなど、いくつかの課題が残っている。
また、国家戦略のひとつとして、科学技術省が組織したベトナム‐オーストラリア人工知能協力ネットワークは、AIアプリケーションに関心のある国内の個人、企業、組織を結集することを目的としている。
参加している個人や企業は、研究コミュニティとつながり、情報源、政策、および省の支援プログラムにアクセスすることが容易となるメリットがあり、ベトナムのAI分野の発展を促進することが期待される。
Scopus:
学術雑誌記事の摘要や参照 を含む書誌データベース。5,000以上の出版社による約22,000題を扱う。
Web of Science:
クラリベイト・アナリティクスにより提供されている世界最大級のオンライン学術データベース。信頼できる学術誌を厳選して収録し、世界7,300以上の研究機関で利用されているほか、政策決定や大学ランキングにも採用されている。
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